初の共通テストが昨日終了しました。
英語のリーディング問題を解いてみてかなりの衝撃を受けたので、今日はその感想と英語学習に今後どう影響があるかについてお伝えしたいと思います。
当初からわかっていた情報として、
① センター試験で長年出題された、発音・アクセント問題、空所穴埋めや並び替えなど文法問題がなくなる
② すべて長文読解問題になる
がありました。
以下が何の前準備もなしに解答してみた感想です。
① ボリューム的にセンター試験よりもかなり負担が増加した(昨年度約3300語→5500語に増加)
② 語彙や文章そのものの難易度は易しくなった
③ 複数文書+資料から総合的に情報を読み取る必要がある(最大2文書+3資料)
④ 設問も含めすべて英語であり、設問の意味を取り違えると大量失点する可能性がある
⑤ 以前は必要だった国語的読解能力というよりは、速読力、情報分析能力、記憶力、さらには動体視力などが必要になる
これらを考えると、大学生が受験することが多いTOEICの特徴と似通った部分が多いです。特に複数文書から瞬時に必要な情報をすくいとる、というテクニックは、TOEICで最も必要とされる能力です(ただしTOEICはビジネス文書のみから構成されるテストであり、必要な語彙や背景が独特ですので高校生が受験するのはあまり得策とは言えません)。
これらを鑑み、これからの中学生、高校生に英語をどう指導していくべきか大変悩むところです。二次試験では現状難解な文構造の英文の日本語訳や説明問題が中心であり、近年は日本語英訳だけでなく自由英作文の出題も増えています。私立大学ではもちろん長文問題のみならず語彙・文法問題、難解な単語や熟語も出題されます。受験生には、これら従来からの学習に加え、速読・情報処理能力の強化という新たなタスクが加わったと考えるべきでしょう。
これがお国の考える「思考力を試す問題」なのか?記述式問題を加えようとして頓挫してしまった流れと矛盾しないのか?・・・と昨日からずいぶんもやもやしているのですが、始まってしまったものには流れに身を任せるしかありません。現在中学生以上、特に高1以上の生徒さんは必ずこの試験問題に目を通し、普段から大量の文章を速読する時間を作りましょう。トレーニングさえすれば必ずや上がる能力であり、準備さえ怠らなければこれまで英語が苦手だった生徒さんも高得点が取れると思います。私もさっそく指導方針を再考いたします。