debateとの出会い~わたしと英語~

今でこそ英語講師をしておりますが、わたしは経済学部出身で、海外留学の経験もありません。大学時代はお世辞にも経済学を一生懸命勉強したとはいえず、大学生活はまさに’4-year vacation’ 的な過ごし方をしておりました(笑)。

ただひとつ、大学時代に懸命に取り組んだことがサークル活動でした。ESS(English Speaking society) という英語サークルでディベート(debate)をやっておりました。ESSは全国の高校、大学にあるインターカレッジの英語サークルなので、ご存知の方もおいでかと思います。debateというのは、一つの社会問題について肯定側、否定側にわかれ、議論を展開し、反論し、理論的にどちらの意見がより重要度が高いかを競う競技(!)で、地方大会から全国大会まで行われるかなりアカデミックな活動です。たんに意見を戦わせるのみならず、その社会問題について、調査をし、文献から専門家の意見をひっぱり(evidence)、自分の意見の裏付けとして提出します。それらをすべて英語でやるので、社会問題に関する知識と、英作文能力、英会話能力が一度に身につく・・・はずでした。あまりのハードさにわたしは2年で早期引退してしまいましたが、この経験のおかげで、英語に関する興味がわき、その後ぼちぼちと英語学習を続け、今に至っています。

debateでは論理的に話を組み立てて、人を説得する能力がなによりも大切です。まずは①短文で結論 ②専門家の意見 ③具体例 ④そこから導かれる自分の結論 というステップがいまでもなんとなく私の中に根付いているような気がします。そう思って英語の長文を読むと、各段落の理論の運び方が、上の流れに似通っていることに気づき、ではこの文章の要旨はなにか?と考えたとき、重要な骨格が透けて見えてくるのです。

人生余分な体験など一つもない、が持論です。モラトリアムな学生時代も、中途半端なサークル活動も、いまのわたしを作り上げてくれた大切な体験です。